2015年8月5日水曜日

農家の意見発表関東大会 〜農業を始めた経緯〜

先日、農家の意見発表会に行ってきました!

千葉県代表として挑んだのですが、さくっと負けましたー。


新米農家の意見発表かと思いきや、関東ブロックからはみなさん経験ある農家で、おいおいー、と思ったけど、すげー農家がいっぱいいて刺激になったので良しとします!


備忘録的に記録を残しておきます。

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「農家は大変だ。」
「儲からない。」

農家の後継ぎではない私が「農業をしたい」というと、よく言われてきました。変わったやつだな、とか、農業のことがわかっていない、と思われていたのでしょう。

私は2008年に北海道の農業生産法人に入社し、農業の世界に初めて身を置きました。
最初は農業のような大変な職業が自分にできるだろうか。と、不安な気持ちを持っていたように思います。

最初は慣れない仕事で確かに大変でした。
しかし、経験を積むに従い、たしかに儲かりにくい構造ですが「やれることはたくさんある。」という思いを徐々に持つようになりました。その気持ちは今も変わりません。

その後、幾つかの経緯があって、地域を千葉に移し、昨年新規就農をします。
地域が違うと、栽培方法や気候も異なるので、まだまだ勉強をしながらですし、時には失敗もしていますが、農業をする自分の未来に対して、ポジティブに考えることができています。

そんな、私の今に至る経緯を発表させていただきます。



私は、幼い頃から自然がすきで、良く海や山に遊びに行っていました。
兵庫県の加古川市で生まれて育ち、自転車で10分で瀬戸内海があり、車で30分も走ると山があります。釣りやキャンプ、時には素潜りでモリを使って魚を刺して捕ったりもしていました。テレビでも、NHKの「生き物地球紀行」という番組が好きで毎週見ていた記憶があります。
自然が好きなのは、家族の影響だと思います。父親も自然が好きでしたし、3人兄弟だったのですが、みんなそうでした。
そんな自然での遊びは、大きくなるに従って、だんだん無くなってきましたが、高校、大学に進学するに従って、「いつかは農業をやってみたい」と漠然と考えるようになります。そう思ったきっかけは特に思いつかないのですが、自然がすきであったので、何となく「自然の中に身を置いて仕事ができる」ということに憧れていただけだと思います。
大学生の頃には、そんなに意識の高い学生ではなかったですが、農業アルバイトや、農家へ住み込みの研修なども参加していました。ただ、この頃は本当に真剣には考えておらず、50歳とか60歳くらいになったらやってみたいなー、と軽く考えていました。

しかし、22歳のとき「やりたいと思っているなら若い時からやろう」と決めました。
きっかけは就職活動です。大学4年になり、今思えば何も考えず学生時代を過ごしてきましたが、いよいよ来年から何かをしないと行けないよいう状況になってから、ようやくそののような心境に至りました。

当時の自分なりに考えた結果、30歳独立を目標にすることを決めました。
しかし、いきなり農業界には進みませんでした。農業は閉鎖的、と良く言われていたので、最初は別の業界で働こうと思い、当時、外食産業では飛ぶ鳥を落とす勢いのあった、飲食チェーンに就職します。
激務でしたが、店の数字を把握しながら、業績によって給与が連動する仕組みはとても面白く、燃えました。みんな飲食が好きな人が集まっていて楽しかったです。今思うと、成果を出している人が評価されるという環境で働けたことは良い経験でした。

外食は4年勤務することになりました。その後、契約農場であった北海道の農業法人に転職します。
初めての農業で特に1年目は結構きついと思いましたが、社長は若い人に権限をくれる人で新しいことに対して前向きにとらえてくれる人だったので、農業経験が無かった私も多くの経験を積むことが出来ました。そこで、4年勤務した後、千葉へ移り2年間研修して、昨年就農します。


就農する時に一番注意したことは、
*設備投資は極力抑えること
*売り上げの計算できる、経験のある野菜を栽培すること、です。
農業のリスクは天気とよく言われますが、それよりも先行投資型の産業であることと、売上が見えづらいことだと感じていたからです。

今年度は、スイカ、人参を栽培しました。畑もはじめて栽培することでしたし、千葉での経験はあまり無かったので、固い作付けになりました。しかし、出来た野菜はまずまずよいものが収穫できましたし、いくつか販売や栽培の試験も行い良い結果のものもありました。今年度の経験を踏まえて、来年度は大幅に作付けを増加させ、自立した経営を実現したいと思います。

最後に、少し気が早いですが、将来についてです。
農業は後継者がいないとよく言われますが、
若くて能力のある人で農業に興味のある人は沢山いると思います。他産業で働きながらそんな人を多く見てきました。私はそんな人が農業をして活躍できる環境を作って行きたいと思います。
農業がやりたいと思っても、農家に生まれなくては、農業が出来る環境は限られています。理由は幾つか考えられますが、その一つは、多くの経営体が家族経営だからです。
家族経営を否定はするつもりはありませんが、日本では98%以上が実質家族経営とその比率はやや高すぎると思います。雇用されながら農業をすることがなかなか出来ないのです。そのため、農家の跡継ぎでは無い人は、農業を始めようとすると、独立ありきの農業になってしまい、多くの人はとても苦労しています。
今の私には、それらの問題をすぐに解決できるような、能力も実績もないことはわかっていますが、これから徐々に形にできるよう頑張りたいと思います。

私は農家の跡継ぎではありません。
初めに述べさせていただいたように、農業を始める前から今に至るまで、そういうと簡単じゃない、大変だぞ、時には出来ない、などと言われます。しかし、現時点では農業は世の中で言われているほどは大変ではないように思います。また、特別な産業でもない、と思っていて「農家じゃなくても農業は出来る」と思っています。


私は、「農家生まれでは無くても農業は出来る」という実績を地域内でまず作り、世の中の農業がやりたい若者が、活躍できる環境を作って行きたいと思います。今はすこしづつですが、勉強し、自立した経営を目指していきます。


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