2015年10月17日土曜日

米田のこだわり

さて、秋になりました。

昨年、尊敬するとある人から「独立して、1年目と2年目はぜんぜん違う」という言葉を聞いていました。

今年になって、確かにその言葉通り、やろうと思うことができる具合がぜんぜん違ってます。要因は作業時間が正確に把握できるようになったことや、地域に知り合いが増えて助けてもらえることも多くなったことなどでしょう。まだ気は抜けないですが、これからの秋冬作、3年目とがんばります。

目指す農場の姿からはまだまだなのですが、約1年半独立してやってみて、こういうことにこだわっていこう、というのが見えてきたので、今回はそんな内容。


将来的には、もっといろいろとやりたいこともあるのですが、ひとまず国内でどこを目指すか、です。



それは、

一、おいしい野菜を作ること
一、身近な農場であること



の2つです。

以下、具体的に



ーおいしい野菜を作る

当たり前にも聞こえると思いますが、今スーパーに並んでいるほとんどの野菜は、重さと見た目で価格が決まります。
「美味しさ」は価格に反映されていません。
なので、農業をして、儲けようと思うと、一番合理的な方法は、虫が食べづらい/つきづらい品種で、重量が重くなりやすい品種をたくさん作る事です。もちろん、それでも国産の野菜の品質は他国に比べてもとても高いと思います。

しかし、農業をして6年、僕の感じる野菜の一番価値は「畑で食べた時のうまい!!」という驚きです。その美味しさの要因は、鮮度であったりであり、栽培する時期、もしくは品種であったりします。それらの要因を、掛け算、足し算しながらお客様にどうすれば美味しい!と、驚いてもらえるか。を、大切にしていきます。

畑で食べる、冬場の美味しい大根は、梨や柿のような味がします。
それは、通常の流通経路に乗って食卓へ届く野菜とは全く違います。通常は農協や市場から、仲買業者が買い、スーパーに行って、物量が多い時にはそれぞれの場所で在庫し、お客様の手に渡ることには収穫してから何週間も経っていることもあります。

今、私は春夏作ですいかを栽培していますが、スイカも一番美味しい時期は「採った時」です(メロンやかぼちゃはとってから数日置いてからのほうが美味しい”食べどき”があります)。スーパーですいかを買っている人が、私のスイカをネットで注文してもらえると採った次の日に届けることができ、スーパーのものより美味しくたべることができるので、スイカはできるだけ直販にこだわって栽培しています。



ー、身近な農場であること

これは、観光農園のようにしたいわけではないのですが、生産の現場に興味がある人が、パッと気軽にこれるような、農場にしたいと思ってます。


TPPも合意され、世界中から様々な食品が、時には安く入るようになって、おそらく世の中は便利になって良くなると思います。個人的にはTPPには賛成しています。農業はもしかしたら大変になるかもしれませんが、安い食品は生活を豊かにするでしょう。
ただ一方で、これからますます消費者にとって生産の現場は遠くなっていくと思います。

私は農業をしていて、「植物って面白いなー」と毎日思っています。小学生だった時に理科の実験で感じたようなわくわくが畑には沢山あります。
それに、自然はコントロールできないもの。という当たり前のことが、農業は当たり前に実感できます。

世の中便利になって、最近は、都会に住んでいると、自然含め人間がコントロールできでていることが普通。になってきている気がします。
天気の長期予報が外れて気象庁が謝罪したり、福島原発にあの規模の津波は絶対来ないと思ってたり、広島の土砂災害が起こった実績があるとわかってたところに住宅が出来てたりします。

100年以上天気のことばかり考えている気象庁だって、週間天気もばっちり当てたことないんです。そんな当たり前のことが農業は体感できます。

世の中が便利になることはとても素晴らしいことですが、人間が奢りすぎないように、自然は人知を超えているって、畑で少し感じれるように、身近であること、誰でもふらっと来れることを大切にしていきたいと思います。




ではまた









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